端午節

  毎年、農暦(旧暦)の5月5日(今年は6月23日)は中国
の端午節(端午の節句)です。端はことの始まりを意味
し、午は陰の反義語で太陽を表し、夏の始まりを意味して
います。
 そもそも、この日は中国戦国時代の偉大な愛国詩人「屈
原」の命日です。中国戦国時代、屈原氏は楚の国の大臣
であったのですが、国王の前で、秦の国の主張に抵抗し
団結するよう述べたため、口が上手な大臣の誹謗と迫害
に遭い、追放されてしまいました。そして屈原氏が追放さ
れている間に秦の国に攻められ、楚の国は滅びてしまい
ました。これを聞いた屈原氏は悲しみに落ち込んで、汨羅
江(現在の湖北省にある川)に身投げをしたそうです。現
地の人々は小舟で川に行き,太鼓を打ってその音で魚を
おどし,さらにちまきを投げて,「屈原」の死体を魚が食べ
ないようにしました。それから、この日にチマキを食べる
習慣ができたということです。これがちまき(肉粽=ロー
ツ ォン)の起源です。その日が中国の年中行事になり,
竜の首飾りをつけた竜船が競争する行事も生まれたそう
です。これは今日のドラゴンレース(龍舟比賽)の始 まり
とも言われています。
 このようなエピソードから、毎年命日の5月5日の屈原
の供養のために祭が行なわれるようになり、やがて中国
全体に広がっていったのです。国と人民に尽くした屈原の
政策は、死んだ後もいっそう人々に惜しまれ、多くの粽(ち
まき)を川に投げ入れて国の安泰を祈願する風習に変わ
って行きます。
 そして、その風習は、病気や災厄(さいやく)を除ける大
切な宮中行事、端午の節句となったと言われています。
三国志の時代に端午の節句は、魏(ぎ)の国により旧暦
五月五日に定められ、やがて日本にも伝わって行きまし
た。



  龍舟比賽


                           
  粽子



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